こんにちは!
今回も前回の続きで、イタリアのプログレ・バンドのご紹介です。今回ご紹介するのは、ニュー・トロルス(New Trolls)です。ニュー・トロルスの経歴は非常にややこしく、バンド名が変わったり、音楽性も多岐にわたるので、経歴を追ってその時期の代表的なアルバムをご紹介し、最後にその中からオススメのアルバムをご紹介することにします。ただ、申し訳ありませんが、経歴の細かい部分は省略させていただきます。
-- New Trolls --
ニュー・トロルスは二人のギタリスト、ヴィットリオ・デ・スカルツィとニコ・ディ・パロを中心に結成されます。初期のサウンドはサイケ色のあるポップでした。
1971年、『Concerto grosso per 1』を発表します。
オーケストラと共演し音楽性が変わります。このアルバムは、クラシックの哀愁ある荘厳な響きと激しくエキセントリックなハード・ロックの融合の度合いが素晴らしく、プログレ屈指のアルバムと言われています。
1972年、『Searching for a land』を発表します。
スタジオ録音盤とライブ盤の二枚組LPだったアルバムです。CDでは一枚にまとまっています。スタジオ録音の方は、アコースティックでプログレッシヴなジャズ・ロックとでも言えばよろしいでしょうか。ライブは、ハードロックとジャズ・ロックが混在した演奏になっています。
1972年、『UT』を発表します。
激しいハードロックがメインですが、クラシカルなシンフォニック・ロックや、美しいメロディーのバラードなどが混在したアルバムになっています。
『UT』発表後、ニュー・トロルスは、上記の二人のギタリスト音楽的食い違いにより、分裂します。
ヴィットリオは「New Trolls Atmic Sistem 」というバンドで、
1973年、『N.T.Atmic System』を発表します。
シンフォニック色の濃いキーボードメインのプログレの傑作アルバムとなっていま す。
1974年、『Tempi dispari』を発表します。
ライブ盤ですが、即興演奏主体のジャズ・ロックとなっています。ニュー・トロルスの音楽の幅がわかるアルバムです。
ニコは「Ibis」というバンドで、
1974年、『Sun supreme』を発表します。
ハード・ロック寄りのシンフォニック・プログレとなっています。ハイ・テンションでハードな部分と叙情的でアコースティックな部分の対比が素晴らしく、プログレ的な展開を見せるところは圧巻です。
二人のギタリストが和解し、ニュー・トロルスを再結成します。
1976年、『Concerto grosso no.2』を発表します。
『Concerto grosso per 1』よりリラックスした演奏で、ポップ色が強くなったアルバムです。キャッチーなメロディーが散りばめられ、印象的なサウンドになっています。お得意のラヴ・ロック風バラードも多く入っていて相変わらず多彩です。
1981年、『FS』を発表します。
『Concerto grosso no.2』の後、ポップな歌ものの良質なアルバムを数多く発表します。中でも『FS』は、ポップなだけではなく、美しくドラマチックな味付けが印象的なアルバムになっています。
今度は、ヴィットリオの「La Storia Dei New Trolls」とニコの「Il Mito New Trolls」というバンドに分裂します。
この時期は、ライブ・アルバムを何枚か発表しているようです。
「La Storia Dei New Trolls」にニコが加入してまたニュー・トロルスが再結成されます。(「Il Mito New Trolls」はまだ続いていたようです。)
2007年、『Concerto grosso : the seven seasons』を発表します。
サウンドがモダンで聴きやすくになっています。クラシックとハード・ロックが調和したシンフォニック・プログレとドラマチックに展開するバラードがバランスよく配され、大人な落ち着いたアルバムに仕上がっています。
今度は、ヴィットリオとニコの「La Leggenda New Trolls」(ニコは2017年に脱退したようです。)と「UT New Trolls」に分裂します。
「La Leggenda New Trolls」が、
2013年、『Concerto grosso n.3』を発表します。
オーケストラとバンドの演奏の融合がより自然になり、洗練された印象があります。アルバム後半は、大人なイタリアン・ポップ・ロックが並び、全体に聴きやすく上品な深い味わいのアルバムになっています。
さて、いかがだったでしょうか?ニュー・トロルスの簡単な経歴と、主なアルバムをご紹介しました。バンドに歴史ありでございますな。旦那様。プログレ・ファンは、1971年の『Concerto grosso per1』から1976年の『Concerto grosso no.2』までの時期のアルバムを押さえておけばよろしいのではないでしょうか。
上記の主なアルバムの中から特にオススメのアルバムは、何と言っても『Concerto grosso per1』です。このアルバムは、プログレ屈指の名盤です。要チェックですよ!加えて『N.T.Atmic System』、『Sun supreme』もオススメです。
今回は長くなりすぎました。お疲れでしょう。コーヒーなど召し上がって休憩などいかがでしょうか?奥様。ここまで読んでいただきありがとうございました。次回も続きます。では、また!