こんにちは!
今回もイタリアのプログレ・バンドのご紹介です。今回ご紹介するバンドは、レ・オルメ(Le Orme)です。編成は基本的にギターレスのキーボード・トリオです。レ・オルメのサウンドは、アルバムによって音楽性が多少変わるので、主なアルバムを年代順にご紹介して、最後にオススメのアルバムをご紹介することにします。
-- Le Orme -- (Part 1)
『Collage』/1971
レ・オルメは最初サイケ・ロックを演奏していたのですが、このアルバムからプログレに変化しています。サウンドはオルガンの音が印象的なクラシック要素が強めのシンフォニック・プログレです。まだレ・オルメ独自のサウンドではありませんが、よくできたアルバムだと思います。
『Uomo di pezza』/1972
クラシカルな旋律を荘厳に激しく演奏する動の部分と、哀愁漂う叙情的な旋律を演奏する静の部分の対比が素晴らしいシンフォニック・プログレになっています。キーボードの魅力的で独特な響きと、ボーカルのアルドー・タッリャピエートラの若干高音の儚げな歌声がマッチして、レ・オルメ独特の世界を作り上げています。このアルバムでこのバンドの他には見られない個性が確立したと見ていいと思います。素朴で哀愁ある非常にイタリアらしい香りに満ちたこのアルバムはプログレを代表する名盤です。ジャケットも素晴らしいですよ。
『Felona e Sorona』/1973
音楽性は前作とは基本的には変わりませんが、少しダークになった印象があります。また、コンセプトアルバムになっていることから、アルバムにまとまり生まれ、完成度が上がっています。一般的にはこのアルバムがレ・オルメの最高傑作と言われています。前作同様プログレを代表するアルバムです。ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーターのピーター・ハミルによる作詞の英語ヴァージョンも発表されています。
『Contrappunti』/1974
プロデューサーのジャン・ピエロ・レヴェルヴェーリ(作曲家、ピアニスト)をメンバーにクレジットしてダブル・キーボードのスタイルをとったアルバムです。この試みは、クラシックとロックの融合をより深めるために行われたそうです。よってサウンドは、よりクラシカルになり、洗練されたものになっています。また、意図はわかりませんが、激しい曲(奇数トラック)と静かな曲(偶数トラック)が交互に演奏される構成のアルバムになっています。このアルバムもレ・オルメの代表作です。
『Verita nascoste』/1976
前のアルバム『Smogmagica』/1975 よりギタリストが加入しています。このアルバムでは新しいギタリストに交代していますが、前作同様ギターが大幅にフィーチャーされています。サウンドは前作の作風を継承した明るいポップ色の濃いプログレです。曲はコンパクトにまとまっていて、イタリア独自の美しくキャッチーなメロディーが満載の密度の濃いアルバムになっています。前作がアメリカ録音ということからアメリカナイズされたサウンドになっていましたが、今作はイギリスでの録音ということであり、ブリティッシュ・ロック的曲のスタイルとイタリアの叙情的メロディーが融合した非常に魅力的なサウンドになっています。一般的な評価はあまり高くないようですが、私はレ・オルメの代表作だと思っています。気軽に聴けるプログレ・アルバムですよ!
少し長くなりましたので、途中ですが、この辺で終わりにしたいと思います。残りは、次回にまわさせていただきます。申し訳ありません!先生!では、また!